微熱が続く時に知っておきたい解熱鎮痛剤の選び方

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37℃〜38℃程度の微熱が続く時には、風邪やインフルエンザなどの感染症だけではなく、肺炎や結核、膠原病(こうげんびょう)などの病気、生理や妊娠といった女性特有のモノ、そして更年期障害など、実に様々なことが原因として考えられます。

その微熱に対処する方法の一つとして、解熱鎮痛剤を服用することが挙げられます。

しかし、ドラッグストアなどに行くと、実に様々な種類の解熱鎮痛剤が陳列されていて、一体自分はどれを飲めばいいのだろう?と迷ってしまう方が多いと思います。

そこで、本記事では微熱が続く時に役立つ、自分にぴったりな解熱鎮痛剤の選び方を詳しく解説していきます。

発熱のメカニズムとは?

まず、微熱といえども発熱です。その発熱を抑えるために大切なのは「なぜ、発熱が起こるのか?」そのメカニズムを知ることです。

敵を倒すには、まず敵を知ることから始めていきましょう。

そもそも、人間の体温は、脳にある視床下部という所で常に一定の体温(適温)を保つように管理・コントロールされています。

私たちが気温が40℃を超える暑い地域、はたまた気温が-20℃を下回るような寒い地域でも、平熱を保って暮らせるのは、この視床下部が発汗や筋肉の震えなどを使って体温が一定に保たれるようにコントロールしているからなのです。

そのため、一度体内に細菌やウィルスが侵入すると、これを撃退するべく脳の視床下部は体全体に「体温を上げるように」という命令を出します。

この命令を受けた体の各部位は、筋肉の震えや、血管の収縮、鳥肌などを使い、熱を生み出し、体温を上げていきます。結果的に、37℃以上という平熱以上の熱が出てしまうと言う訳なのです。

これが発熱のメカニズムです。

もっと詳しく知りたい方は下記記事にて、さらに詳しく発熱のメカニズムを解説しておりますので、合わせてお読みいただければと思います。

【関連記事】「発熱で関節痛や筋肉痛を伴うのはなぜ?その理由と痛みを和らげる方法」

解熱鎮痛剤の種類

続く微熱に対処する方法の1つのとして「解熱鎮痛剤を服用する」ことがあげられます。

解熱鎮痛剤とは、その名の通り「発熱」や「痛み」などを抑えるお薬です。「熱冷まし」や「痛み止め」と呼ばれることもあります。

この解熱鎮痛剤は、含まれる「成分の違い」「効き目の強さ」「副作用の強さ」などによって「非ピリン系解熱鎮痛剤」「ピリン系解熱鎮痛剤」「非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)」と言う3種類に分類されます。

非ピリン系解熱鎮痛剤とは?

非ピリン系解熱鎮痛剤は、温度調整を行なっている中枢神経に働きかけ、熱を下げたり、プロスタグランジンという痛み成分が合成されるのを防ぎ、痛みを抑えてくれる作用があるお薬です。

非ピリン系解熱鎮痛剤に含まれる代表的な有効成分が「アセトアミノフェン」です。

末梢神経へ作用しないため、胃の負担が少なく、効き目が解熱鎮痛剤の中で一番緩やかで、副作用が弱いことが最大の特徴と言えます。

他の解熱鎮痛剤は、15歳未満の子供や妊娠中、授乳中の方は使用できないものがほとんどですが、この非ピリン系であれば使用することができます。

そのため、子供用の解熱鎮痛剤などにはこのアセトアミノフェンが有効成分として含まれています。

解熱鎮痛剤の中では一番弱い薬ではありますが、アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤だけではなく実に様々な市販薬に含まれていることが多い成分です。

そのため、重複して服用してしまわないよう、もし現在服用中のお薬があればその成分をしっかりと調べて置くか、ドラッグストアなどで薬剤師に「服用しているお薬」を伝えて、解熱鎮痛剤の服用可否を聞いて見ましょう。

ピリン系解熱鎮痛剤

ピリン系解熱鎮痛剤は、熱を下げる作用があるお薬です。

また、非ピリン系解熱鎮痛剤と同様に、プロスタグランジンと言う痛み成分の合成を防ぐ作用があるため、痛みを抑える作用があります。

それに加えて炎症を抑える作用もあります。

ピリン系は非ピリン系に比べて副作用が強く、低体温や低血圧など非ピリン系では見られない副作用も持ち合わせています。

また、副作用として、ピリン疹と呼ばれる発疹を引き起こすことがあるため服用前には注意が必要です。

代表的な有効成分は、アミノピリンやスルピリン、イソプロピルアンチピリンなどです。

非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)

非ステロイド性抗炎症剤は、痛みを抑えたり、熱を下げたりする作用があるお薬です。

副作用は解熱鎮痛剤の中でも強く、効き目が強い分、胃への負担も大きいのが特徴です。

代表的な有効成分は、イブプロフェンやロキソプロフェン、アスピリンです。

市販の解熱鎮痛剤に含まれることが多い非ステロイド性抗炎症剤ですが、その副作用の強さから15歳未満の子供や妊娠中、授乳中には使用することができません。

解熱鎮痛剤の選び方

解熱鎮痛剤は「胃への負担の強さ」「眠気を誘発するかどうか」「持病を持っているかどうか?」「年齢」「症状の強さ」によって選ぶのが一般的です。

ここではそれぞれの選ぶ基準について一つひとつ詳しく解説していきます。

胃への負担の強さ

解熱鎮痛剤に共通しているのは「胃への負担」という副作用です。

その負担の強さの度合いは次のようになります。

アスピリン>ロキソプロフェン>イブプロフェン>アセトアミノフェン

例えば胃が弱い人などは、胃への負担が少ない「アセトアミノフェン」が主成分の解熱鎮痛剤を選ぶのが一般的です。

もしくは、アセトアミノフェンよりも少し胃に負担がある「イブプロフェン」を選ぶのが一般的です。

アセトアミノフェン、イブプロフェンを主成分とする解熱鎮痛剤一覧

商品名 製造販売元 有効成分 主成分 注意すべき副作用
バファリンプレミアム ライオン イブプロフェン130mg
アセトアミノフェン130mg
無水カフェイン80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル70mg
アセトアミノフェン
イブプロフェン
・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
バファリンルナi ライオン イブプロフェン130mg
アセトアミノフェン130mg
無水カフェイン80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル70mg
アセトアミノフェン
イブプロフェン
・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
ハッキリエースa【ACE処方】 小林製薬 アセトアミノフェン230mg
エテンザミド230mg
カフェイン75mg
シャクヤクエキス50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム150mg
アセトアミノフェン
ノーシン【ACE処方】 アクラス アセトアミノフェン300mg
エテンザミド120mg
無水カフェイン70mg
アセトアミノフェン
ノーシン錠【ACE処方】 アクラス アセトアミノフェン300mg
エテンザミド160mg
無水カフェイン70mg
アセトアミノフェン
ノーシンホワイト<細粒>【ACE処方】 アクラス アセトアミノフェン300mg
エテンザミド380mg
無水カフェイン70mg
アセトアミノフェン
ノーシンホワイト錠【ACE処方】 アクラス アセトアミノフェン300mg
エテンザミド380mg
無水カフェイン60mg
アセトアミノフェン
ノーシン「細粒」【ACE処方】 アクラス アセトアミノフェン300mg
エテンザミド120mg
無水カフェイン70mg
無水カフェイン70mg
アセトアミノフェン
ノーシンピュア アクラス イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
タイレノール ジョンソン&ジョンソン アセトアミノフェン300mg アセトアミノフェン
ネスパンEV ホーユー イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
エコルネ 堀居薬品工業 イブプロフェン150mg イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
グレラン・ビット 武田薬品 イブプロフェン150mg
アセトアミノフェン65mg
イブプロフェン
アセトアミノフェン
・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
ケロリンIBカブレット 内外製薬 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
シベラEV 興和 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
フェリア 武田製薬 イブプロフェン150mg イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
リングルアイビー 佐藤製薬 イブプロフェン150mg イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
リングルアイビー200 佐藤製薬 イブプロフェン200mg イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
フツナロンEV ジェーピーエス製薬 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
メリドンEV錠 ジェーピーエス製薬 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
スパロンエース 三宝製薬 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
ルッケル解熱鎮痛錠 資生堂 イブプロフェン150mg
トラネキサム酸140mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
イブ エスエス製薬 イブプロフェン150mg イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
イブクイック頭痛薬 エスエス製薬 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
酸化マグネシウム100mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
イブクイックDX エスエス製薬 イブプロフェン200mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
酸化マグネシウム100mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある
イブA錠 エスエス製薬 イブプロフェン150mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン80mg
イブプロフェン ・イブプロフェンが含まれているため胃への負担が多少ある
・副作用として「眠気」がある

※ACE処方:アセトアミノフェンだけではなくカフェインとエテンザミドという成分を加えて解熱鎮痛効果を高めたもの



眠気を誘発するかどうか

「胃への負担」の次に確認すべきなのが、眠気を誘発する成分が含まれているかどうかです。

眠気を誘発する主な成分が「ブロムワレリル尿素」「アリルイソプロピルアセチル尿素」です。

もし、服用後に仕事などで車を服用する場合はどには、眠気を誘発する成分が含まれている解熱鎮痛剤は服用してはいけません。

運転中の居眠りや事故につながってしまいます。

最近では、そういった眠気を誘発する成分が含まれる解熱鎮痛剤のパッケージの後ろの部分には「運転NG」と表記されているものがほとんどなので、これが書かれていない薬を選ぶと良いでしょう。

<運転NGの表記の写真>

持病を持っているかどうか?または病気中かどうか?

例えば、喘息を持病として持っている方は、ロキソニン系の解熱鎮痛剤は使う事ができません。

また、アスピリン喘息の方はアスピリンを含む解熱鎮痛剤を使うことができません。

このように持病を持っている方は、医師や薬剤師に自分の持病を伝え、持病を持っていても飲める解熱鎮痛剤を紹介してもらう必要があります。

また、今現在病気にかかっている場合にも注意が必要です。

例えば、インフルエンザの疑いがあるにも関わらず、解熱鎮痛剤を飲んでしまうと、インフルエンザ脳症にかかってしまう恐れがありますので、その場合には、一番効き目が弱いとされているアセトアミノフェンを服用するようにしましょう。

喘息の方が飲める解熱鎮痛剤とは?

喘息の方が飲める解熱鎮痛剤は非常に限られています。

非ステロイド系の解熱鎮痛剤は基本的に喘息の発作を誘発する可能性があるため、服用することができませんが、用法容量をしっかりと守れば非ピリン系の解熱鎮痛剤である、アセトアミノフェンが含まれる解熱鎮痛剤は比較的安全に使用することができると言われています。

このアセトアミノフェンが含まれる解熱鎮痛剤は、カロナールと呼ばれることもあり、15歳未満の子供や、妊娠中、授乳中などの方でも使える効き目が穏やかな薬です。

解熱鎮痛剤としての効き目は非ピリン系、ピリン系、非ステロイド性の中では一番弱いため、「これを飲んだから熱が下がる」「これを飲んだから痛みが引く」といった過度な効果は期待できないと言って良いと思います。

本記事の著者は、喘息持ちなので「熱を下げる」「痛みを止める」時にはいつも医師からカロナール(アセトアミノフェン)が処方されます。

親知らずを抜いた時にも、痛みどめとしてカロナールが処方されましたが、痛みはほとんどひかず、苦しい思いをしました。

そのため、なんども言いますが、非ピリン系のアセトアミノフェンが含まれる解熱鎮痛剤には過度な期待は禁物です。

気休め程度のお薬と言った方が、正しいと思います。

年齢や妊娠中など

基本的に15歳未満の子供や妊娠中、授乳中の方にはピリン系や非ステロイド性抗炎症剤は使えません。

もし15歳未満の子供や、妊娠中、授乳中に熱を下げたい、痛みを抑えたいと思ったらアセトアミノフェンが含まれる解熱鎮痛剤を使うのが一般的です。

15歳未満の子供用の解熱鎮痛剤一覧

商品名 製造販売元 有効成分 主成分 注意すべき副作用
ノーシンホワイトジュニア アクラス アセトアミノフェン200mg
ジベンゾイルチアミン3mg
アセトアミノフェン
ノーシンピュア小中学生用 アクラス アセトアミノフェン200mg
アリルイソプロピルアセチル尿素30mg
無水カフェイン
アセトアミノフェン ・眠気がある
小児用バファリンCII ライオン アセトアミノフェン33mg アセトアミノフェン
バファリンルナJ ライオン アセトアミノフェン100mg アセトアミノフェン

症状の強さ

副作用が少ないという事はそれだけ、効き目が弱いとも言えます。

例えば高熱の場合など、副作用があっても構わないぐらい辛い症状がある場合には、効き目の強い非ステロイド性抗炎症剤を選びましょう。

非ステロイド性抗炎症剤の代表的な有効成分の効き目の強さは次のようにランクづけすることができます。

ご自身の症状の辛さに合わせて薬を選ぶと良いでしょう。

ロキソプロフェン>イブプロフェン>アスピリン>アセトアミノフェン

ロキソプロフェンが主成分の解熱鎮痛剤

ロキソプロフェンを主成分とする「ロキソプロフェンS」は第一類医薬品に分類されており、薬剤師が常駐する店舗などでしか販売が許されておりません。

もし、欲しい場合には、お近くのドラッグストアに行き、薬剤師に相談してみましょう。

商品名 製造販売元 有効成分 主成分 注意すべき副作用
ロキソニンS 第一三共ヘルスケア ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg ロキソプロフェン ・解熱鎮痛剤の中で副作用が特に強い
ロキソニンSプラス 第一三共ヘルスケア ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg
酸化マグネシウム33.3mg
ロキソプロフェン ・解熱鎮痛剤の中で副作用が特に強い
ロキソニンSプレミアム 第一三共ヘルスケア ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム100mg
ロキソプロフェン ・解熱鎮痛剤の中で副作用が特に強い
・副作用として眠気がある

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