体がだるい、疲れが取れない時におすすめの漢方薬の選び方

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漢方薬は西洋の薬と違い、その病気の原因であるものをピンポイントで改善するという考え方はしません。

病気は心身のバランスが乱れたために起こるものだと考え、その乱れたバランスを直して、結果として病気を改善していくという考え方をします。

そのため1つの漢方薬で様々な症状の改善が期待できます。

そのため「疲れが取れない」「体がだるい」「疲れやすい」といった病気から血行不良から、精神的な要因、生理や妊娠などによるホルモンバランスの乱れ、など実に様々な要因で生じる病気には適しているお薬です。

もちろん例外もありますが、基本的には普通のお薬と違い副作用がほとんどなく、通常の薬が服用できない妊娠中の方や子ども、高齢の方にも使えるものが多いので、近年その効果が見直されて来ています。

しかし、漢方の選び方は西洋の薬と違う上に、非常に多くの種類があり「どれを選べば良いかがわからなくなってしまいがち」なのが漢方薬です。

ここでは、そんな「体がだるい」「疲れやすい」「疲れが取れない」時におすすめの漢方薬の選び方をご紹介いたします。

ストレスなどによる原因不明の体のだるさや疲れには漢方がおすすめ

先ほどもご紹介した通り「体がだるい」「疲れやすい」「疲れが取れない」のには、次のように実に様々な原因が存在します。

  • 病気の可能性
  • 食生活の乱れや栄養不足
  • 血行不良
  • 精神的な要因
  • 更年期障害(男性・女性)
  • 女性特有の原因(生理・妊娠など)
  • 不規則な生活や睡眠不足

例えば発熱など他の症状があるのであれば、その原因を見つけることは容易だと思いますが、ストレスなどにより慢性的に疲労を感じている場合には、病院で検査を受けても異状がなく、原因となる病気が不明確な場合も多いと思います。

そういった場合には、症状に合わせて体の乱れを改善していく漢方がおすすめです。

もちろん、時間の経過と共に他の症状が出て来たり、副作用が出て来てしまった場合にはすぐに使用を中止し、医師の指示を仰ぐようにしましょう。

ここでは、そんな現代人が陥りやすい原因不明の体のだるさや疲れにおすすめの漢方薬の選び方をご紹介いたします。

体がだるい、疲れやすい時におすすめの漢方薬の選び方

漢方では体のだるさや疲れやすさの他の症状の他に、体格や体力の有無、体質などによって適した漢方薬が選ばれます。

次の表を見ながら体のだるさや疲れやすさと共に感じる症状や、体格や体力、体質といったその人のタイプ(証)をご自身の場合と照らし合わせながら、合う漢方薬を選んでいきます。

先ほども少しご紹介した通り、漢方は肩の重さ、だるさという治したい症状だけではなく、体格や体力の有無、体質、またはご自身が今どの様な状態かどうかで、漢方薬を選んでいきます。

例えば、胃腸が弱く、普通よりも虚弱なタイプであれば「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」、皮膚が乾燥しかさつく時には「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」や「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」を選びます。

表1、体がだるい、疲れやすい時に主に使われる漢方薬
症状 漢方薬名 合うタイプ(証)
食欲不振、倦怠感など 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 虚弱で元気がないタイプの人
胃腸虚弱、腹痛、冷え、手足のほてり、頻尿、腹直筋の緊張など 小建中湯(しょうけんちゅうとう) 虚弱で胃腸が弱く、風邪をひきやすい、疲れやすいタイプの人
多汗、寝汗、腹痛、腹直筋の緊張 黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう) 普通よりより虚弱なタイプ
腹痛、冷え、血色が悪い、腹直筋の緊張 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう) 疲れやすく、血色が悪いタイプの人
皮膚のかさつき、食欲不振、貧血、冷え 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 全身が弱り、体力も衰え、疲れやすいタイプの人
皮膚のかさつき、食欲不振、貧血、冷え、咳 人参養栄湯(にんじんようえいとう) 体力がなく、貧血傾向で冷え性のタイプの人
冷え、めまい、身体動揺感、下痢、むくみ 真武湯(しんぶとう) 新陳代謝が衰えた虚弱なタイプの人
下半身の脱力感、冷え、しびれ(特に高齢者の場合) 八味地黄丸(はちみじおうがん) 高齢者に多く用いられる。疲労や倦怠感が激しく、寒がりで手足や腰から下の冷えが激しいタイプの方

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

「体がだるい」「疲れやすい」「疲れが取れにくい」といった症状に最も使用されているのが補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

がん治療における抗がん剤の副作用である全身のだるさや倦怠感を抑える薬としても使用されることがある漢方薬です。

主に、虚弱で元気がない人に対して、胃腸の機能を整え、病気に対する抵抗力を高めて「体のだるさ」「疲れやすさ」「疲れの取れにくさ」を改善していきます。

漢方薬は特に発熱など特定の症状がなくともこういった「疲れやすさ」などアバウトな症状にも使われることが多いため、もし連日の残業などで体がだるい、疲れやすいなど疲れが溜まっているようであれば、一番代表的な補中益気湯(ほちゅうえっきとう)から試してみてはいかがでしょうか。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

主に胃腸が弱い人向けの漢方薬です。子どもに処方されることが多いというのも特徴です。

いわゆる虚弱体質と呼ばれている人の体質改善の役割で処方されたりもします。

こちらも補中益気湯(ほちゅうえっきとう)と同様に、胃腸の調子を整え体全体の不調を改善するという漢方薬です。

副作用として血圧上昇やむくみなどの症状が現れることがありますので、注意しましょう。

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

小建中湯(しょうけんちゅうとう)に「黄耆(おうぎ)」と呼ばれる生薬が加わった漢方薬で、さらに虚弱体質の方によく処方されます。

こちらも胃腸の調子を整えて体全体の不調を改善するという漢方薬です。

寝汗や多汗、病み上がりのだるさなどにも用いられます。



当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)

小建中湯(しょうけんちゅうとう)と同じ様な処方で調合された漢方薬です。

体をしっかりと温め、血行をよくする生薬が配合されているため、血色が悪い人に処方されることが多い漢方薬です。

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)は全身の状態を良くし、体力を取り戻す漢方薬です。

がん治療の抗がん剤などの副作用として生じる全身の倦怠感などを軽減する薬としても使われることの多い漢方薬です。

主に心身疲れ果てている方や全身がだるく、倦怠感がある方、または皮膚が乾燥してかさつきのある方などにむく漢方薬です。

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

体力がなく、貧血気味で、冷え性を伴うような方で「体がだるい」「疲れやすい」「疲れが取れにくい」という方にむく漢方薬です。

滋養強壮や胃腸の働きを良くする生薬や、血流を良くする生薬などが配合されています。

真武湯(しんぶとう)

全身の冷えや、めまい、下痢をしやすいような胃腸が弱めの人に使われる漢方薬です。小建中湯(しょうけんちゅうとう)と同様に虚弱体質の方の体質改善目的で処方されることもあります。

体力があって、がっちりした体格、暑がりの方や発熱している方には向かない漢方薬です。

そういった方に使うと舌のしびれや嘔吐などの副作用が現れる場合があるので、注意しましょう。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

高齢者の様にちょっと動いただけで疲労や倦怠感が激しい方や冷え性、夜間にトイレに立つ回数が多いような人に用いられる漢方薬です。

男性の更年期障害などにもよく使われるお薬です。

一方で体力があり、体ががっちりしている方や、暑がりの方には嘔吐やのぼせ、舌のしびれなど副作用がでる可能性がありますので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか?漢方薬はどちらかといえば体の調子を整えて、結果的に病気を直すといったお薬と言えるため、西洋の薬に比べてアバウトな症状によく用いられます。

なんとなく最近体がだるい、疲れやすい、寝ても疲れが取れにくい、そういった場合や、医師の診断や検査を受けても原因がわからない体のだるさに悩んでいる方は、一度漢方薬を使ってみてはいかがでしょうか。

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