吐き気を伴う発熱で体がだるい時の原因と対処法とは?

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風邪などの病気により発熱すると、同時に様々な症状を伴うことがあります。

吐き気もその症状の一つです。

また、熱がでてお医者様にかかると「吐き気などはありますか?」と聞かれることがよくあります。

これは、発熱を伴う病気は実に様々なので、それを特定するための判断材料としているのです。

このように「吐き気」を伴うということは、その原因が一体なんなのか?どんな病気の可能性が考えられるのか、を判断する一つの判断材料となるのです。

ここでは、そんな吐き気を伴う発熱で体がだるい時に考えられる原因と、その対処法について詳しくご説明いたします。

発熱はなぜ起こるの?

私たちが発熱するのは、体外から侵入してきた細菌やウィルスの活動を鈍らせ、免疫細胞の働きを活性化させるためです。

つまり、発熱は悪いわけではなく、細菌やウィルスを退治するために私たちの体が自己防衛のために意図的に行なっていることなのです。

細菌やウィルスが私たちの体の中に侵入すると、その情報が私たちの体をコントロールしている脳の視床下部に伝わります。

視床下部は、体の各部位に「体温を上げろ」という命令を出し、それを受けた各部位が筋肉の震えや、血管の収縮、鳥肌などを使って体温を上げていきます。これが、私たちの体に発熱が起こるメカニズムです。

吐き気や嘔吐のメカニズムとは

嘔吐とはいわゆる私たちが食べたものなどが胃液を含めて、胃から逆流してしまう症状です。

吐き気とは「嘔吐をしそうな気配」のことをいいます。

私たちの脳には「嘔吐」の役割を担う、嘔吐反射中枢というものがあり、ここが内臓疾患や、風邪やインフルエンザなどの病気、または体に備わった防衛反応など様々な原因により刺激を受けることで、吐き気・嘔吐が起こります。

例えば、お酒を飲みすぎた時に吐き気がするのは、体が「これ以上アルコールを取ると有害」という判断を下し、アルコールをできる限り体の外に排除しようとする防衛反応のためです。

また、吐き気があって、嘔吐をするというのが一般的な流れですが、胃や腸などに炎症がある場合や、胃の出口に腫瘍ができている場合など、吐き気がなくても突然嘔吐してしまう場合もあります。

これが吐き気や嘔吐のメカニズムです。

吐き気を伴う発熱が考えられる病気とは?

発熱と共に吐き気が考えられる病気は次の表のように実に様々です。

表1、吐き気を伴う発熱が考えられる病気

病気名
腎盂腎炎、熱中症、腸チフス、ブルセラ症、伝染性単核球症、急性胆嚢炎、つわり(悪阻)、急性ウィルス肝炎、肝臓がん、細菌性食中毒、骨盤腹膜炎、ウィルス性脳炎、ウィルス性髄膜炎、細菌性髄膜炎、腸間膜動脈閉鎖症、感染性胃腸炎、クローン病、膀胱尿管逆流、メッケル憩室(出血)、卵管炎など

※これは吐き気と発熱を症状として持つ代表的な病気です。他にもまだ原因となる病気はたくさん存在します。

その中からどのよう自分の病気の原因を絞るためには次の6点を見極めていく必要があります。

  • 高熱かどうか
  • 突然の嘔吐なのか
  • 吐き気があっの嘔吐なのか
  • 他の症状が現れているかどうか
  • 妊娠の可能性がないかどうか
  • 大人であるか子どもであるか
  • 過度なストレスを感じていないかどうか

高熱と吐き気を伴う場合

高熱とは38℃以上の熱のことを言います。このような高熱と共に吐き気や嘔吐が起きてしまう時に考えられる病気と、症状は次の通りです。

表2、吐き気と高熱のある病気とその症状

病名 高熱、吐き気、嘔吐以外の症状
腎盂腎炎(じんうじんえん) むかつき、嘔吐、強い全身倦怠感なと
熱中症 疲労感、めまい、吐き気、嘔吐、痙攣、意識障害など
腸チフス 倦怠感、頭痛、腹痛、日に日に上昇する発熱
ブルセラ症 発熱、発汗、腹痛、背部痛、だるさ、食欲不振など
伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう) のどの痛み、いちご舌、倦怠感、湿疹、嘔吐など
急性胆嚢炎(きゅうせいたんのうえん) 食後3〜4時間の吐き気、上腹部痛、黄疸(おうだん)
卵管炎(らんかんえん)※女性特有 突然の寒気、高熱、吐き気、嘔吐、下腹部の激痛、おりものの増加など

嘔吐のタイミング

通常は、吐き気があって嘔吐に発展していきますが、吐き気なしに突然嘔吐してしまう場合もあります。

このような嘔吐のタイミングも原因を見分ける上で重要な指標となります。

突然嘔吐してしまった場合

胃や腸などに炎症があったりすると、吐き気無しに突然嘔吐してしまう場合があります。

このように突然の嘔吐を伴う代表的な病気は次の通りです。

表3、突然の嘔吐を伴う病気とその症状

病名 熱、吐き気、嘔吐以外の症状
感染性胃腸炎 下痢、腹痛、脱水、電解質喪失症、全身倦怠感、ウィルス性では咳、鼻水など
つわり(悪阻) 朝や空腹時の吐き気や嘔吐が一般的。食欲不振、胸焼け、口内の渇き、頭痛、頭重、動悸、めまい、耳鳴り、不眠、腰痛、便秘、においに敏感になる、など

発熱と突然の嘔吐を伴う代表的な病気が感染性胃腸炎つわり(悪阻)です。

感染性胃腸炎とは、ノロウィルスやロタウィルスなどのウィルスや、サルモネラ菌やカンピロパクター、病原性大腸菌など食中毒に代表される細菌の感染により引き起こされる胃腸炎のことです。

大抵の場合は、吐き気や嘔吐の他に下痢や激しい腹痛を伴います。

また、妊娠の可能性がある場合にはつわり(悪阻)も疑われます。細菌性胃腸炎のように激しい症状はあまりでず、体調が悪かったり、微熱が出たり、突然の嘔吐が特徴です。

他の症状を伴う時に考えられる病気・原因とは?

吐き気を伴う発熱を見分ける際に一番重要なポイントが「他の症状の有無」です。

人によってどの症状が強く現れているかは違ってきますが、これにより吐き気を伴う発熱の原因をより絞って行くことができます。

頭痛がある場合

発熱や吐き気、嘔吐の他に頭痛がある場合には、次のような病気が疑われます。

下痢がある場合

発熱や吐き気、嘔吐の他に下痢がある場合には、胃や腸など消化器官の不調が考えられます。主に次のような病気が疑われます。

腹痛がある場合

発熱や吐き気、嘔吐の他に腹痛を伴う場合には、主に胃や腸など消化器官の不調が考えられますが、他の部位の関連痛として腹痛が生じている場合もありますので、注意が必要です。

表4、腹痛伴う病気とその症状

病名 熱・吐き気・嘔吐以外の症状
腎盂腎炎(じんうじんえん) むかつき、強い全身倦怠感なと
熱中症 疲労感、めまい、痙攣、意識障害など
腸チフス 倦怠感、頭痛、腹痛、日に日に上昇する発熱
ブルセラ症 発汗、腹痛、背部痛、だるさ、食欲不振など
急性胆嚢炎(きゅうせいたんのうえん) 食後3〜4時間の吐き気、上腹部痛、黄疸(おうだん)、悪寒など
感染性胃腸炎 下痢、腹痛、脱水、電解質喪失症、全身倦怠感、ウィルス性では咳、鼻水など
急性膵炎(きゅうせいすいえん) 上腹部から背中、肩にかけての激しい痛み、下痢など
急性胆管炎(きゅうせいたんかんえん) 悪寒、右上腹部の痛み、黄疸(おうだん)など
急性ウィルス肝炎 肝臓の腫れ、押すと痛む、倦怠感、食欲不振など
卵管炎(らんかんえん)※女性特有 突然の寒気、高熱、吐き気、嘔吐、下腹部の激痛、おりものの増加など
メッケル憩室(出血) 腹痛、下血など



寒気や悪寒がする場合

吐き気や嘔吐、発熱と共に寒気や悪寒を伴う場合には、次のような病気が考えられます。

表5、寒気や悪寒を伴う病気と、その症状

病名 熱・吐き気・嘔吐以外の症状
急性胆嚢炎(きゅうせいたんのうえん) 食後3〜4時間の吐き気、上腹部痛、黄疸(おうだん)、悪寒など
卵管炎(らんかんえん)※女性特有 突然の寒気、高熱、吐き気、嘔吐、下腹部の激痛、おりものの増加など

妊娠の可能性がある時に考えられる病気は?

妊娠の可能性がある時に、吐き気を伴う発熱がある場合には、つわり(悪阻)が考えられます。

つわり(悪阻)は妊娠2〜3ヶ月の初期に現れる症状です。主に朝や空腹時の吐き気や嘔吐など「吐きつわり」「食べつわり」が一般的です。

また、他にもにおいに敏感になる「においつわり」や、食欲不振、胸焼け、口の渇き、頭痛やめまい、動悸、不眠、腰痛、便秘など実にさまざまな不快症状があります。

つわりの原因についてはまだ完全に解明されておりませんが、妊娠により分泌量が増加する女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの影響や、ホルモンバランスの変化により自律神経が乱れてしまうためとも言われています。

表6、つわりの主な症状

病名 症状
つわり(悪阻) 朝や空腹時の吐き気や嘔吐が一般的。食欲不振、胸焼け、口内の渇き、頭痛、頭重、動悸、めまい、耳鳴り、不眠、腰痛、便秘、においに敏感になる、など

次の記事で、妊娠中の体のだるさや重さの原因やつわりについても詳細に解説しておりますので、合わせてお読みください。

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子どもが吐き気を伴う発熱をおこした場合に考えられる原因

子どもが吐き気を伴う発熱を起こした場合にはまず「意識がはっきりしているかどうか」を確認します。

意識がはっきりしていない場合には、主に次のような病気が考えられます。

表8、意識がはっきりしていない場合に考えられる病気と症状

病名 症状
熱中症 めまい、嘔吐、痙攣、意識障害など。※夏の高温下にいた時になることが多い。
髄膜炎(ずいまくえん) 頭痛、嘔吐、項部硬化(うなじの部分が硬くなり首が曲がらなくなる)、痙攣、意識障害など。※項部硬化が見極めるポイント
脳炎(のうえん) 頭痛、嘔吐、痙攣、意識混濁、異常行動など。※異常行動が見極めるポイント

次に考えるべきポイントは「高熱かどうか」です。39℃を超える高熱が出ている場合には、急性腎盂腎炎(きゅうせいじんうじんえん)が疑われます。

表9、急性腎盂腎炎の症状
病名 症状
急性腎盂腎炎(きゅうせいじんうじんえん) 腹痛、ひきつけ、食欲不振、嘔吐、下痢など

高熱でない場合には、感染性胃腸炎(かんせんせいいちょうえん)を疑います。

この感染性胃腸炎は、ノロウィルスやロタウィルスなどのウィルスや、サルモネラ菌やカンピロパクターなどの細菌が胃や腸に感染して起こる病気です。

腎盂腎炎(じんうじんえん)ほどの高熱は起こりませんが、非常に激しい腹痛や下痢を伴います。

過度なストレスを感じている場合

例えば仕事などで、毎日朝早くから、夜遅くまで残業している様であったり、家庭内でピリピリしている状態が続いていたり、普段我慢しているけれども言えないことが多くあったり、そういった過度なストレスを感じている場合にも、このような吐き気を伴う発熱(微熱)が起こる場合があります。

これは主に、精神的なストレスによる自立神経の乱れが原因であり、ほおっておくとうつ病や自律神経失調症などに発展してしまう恐れがあります。

そうなる前に次のような対処法をしっかりと取る決断をしておく必要があります。

  • 心身共に休息する時間を作る(1〜2日ではなく、一定期間)
  • ストレスのある環境を変える努力をする(転職や、退職など)
  • 運動などでストレスを発散する

吐き気を伴う発熱の対処法

吐き気は実に様々なことが原因でおきますが、発熱中に吐き気を伴う場合は、病気原因である可能性が高いため、ご自身で対処するよりも、一度お医者様にかかられた方が良いと思われます。

一方でお医者様にかかったけど特に異常がないと言われてしまったり、ただの風邪だと診断されてしまったり、つわり(悪阻)や更年期障害、ストレスなど発熱や吐き気、またはその他の症状が激しくでない場合には「アロマセラピー」「漢方薬」などを使ったセルフケアも合わせて行うことで、吐き気や嘔吐の辛い症状を和らげる効果が期待できます。※人によって向き不向きや効く効かないなどの程度はあります。

吐き気や嘔吐に効果が期待できるアロマオイルとその使い方

つらい吐き気や嘔吐などには、ミント系のアロマが有効だと言われています。

吐き気や嘔吐に効果が期待できる漢方薬とその選び方

発熱など風邪などの症状と共に、吐き気や食欲不振がある場合には「小柴胡湯(しょうさいことう)」「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」を使うのが一般的です。

小柴胡湯(しょうさいことう)

小柴胡湯(しょうさいことう)は、長引く風邪や吐き気や嘔吐を伴う風邪によく使われる漢方薬です。

胃腸や肝臓、呼吸器などの調子を整えて、体の免疫機能を向上させ、元気にする作用があります。

主に一般的な体力と体型の方で上腹部が張ったような感覚がして気持ちが悪いという方に向いている漢方薬です。

まれに小柴胡湯(しょうさいことう)を飲んで、発熱や咳、呼吸困難、肝機能障害、黄疸(おうだん)などの副作用が現れる場合がありますが、その場合には、漢方薬の使用を中止し、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

また、次のような方は小柴胡湯(しょうさいことう)の使用ができないので注意しましょう。

  • インターフェロン製剤を使用中の方
  • 肝硬変や肝臓がんにかかっている方
  • 急性、慢性肝炎の方
  • 血小板の数が少ない方

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)は先ほどご紹介した「小柴胡湯(しょうさいことう)」と「桂枝湯(けいしとう)」を配合した漢方薬で、主に長引く風邪のあらゆる症状(寒気、悪寒、体の痛み、頭痛、吐き気、食欲不振、下痢など)や内臓の痛みを取る際(十二肢潰瘍、胆石・胆嚢炎、慢性膵炎など)に使われます。

普通の人よりは体力が無く、のぼせがちの人、または吐き気や食欲不振が見られる人に向く漢方薬です。

まれに、副作用として下痢や膀胱炎に似た症状や肝機能障害などが現れることがありますので、そういった場合には、体質に合わないと判断し、すぐに使用を中止してください。

まとめ

いかがでしたか。吐き気を伴う発熱の原因の中には、脳炎や髄膜炎など、一刻を争うような病気もあります。

熱の高さや吐き気の度合いなど「風邪とは少し違うな」と異変を感じた場合には早めにお医者様にかかられた方が良いと思います。

もし、それでも原因がわからなかったり、つわり(悪阻)などが原因である可能性が高い場合には、本記事のセルフケアなどを参考に、症状を和らげる工夫をご自身でされてみてはいかがでしょうか。

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