食後にだるい眠気を感じる3つの原因とその解消方法

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食後にだるい、眠気を感じる原因とは?

食後にだるいと感じたり、眠気を感じた経験はありませんか? 例えばお昼ご飯を食べた後に眠気やだるさで仕事がはかどらなかったり、午後の会議でウトウトしてしまったり・・・、中には食後の眠気やだるさが嫌だからと、昼ごはんを抜いた経験がある方もいらっしゃると思います。

一体食後にだるいと感じてしまう、眠気を感じてしまう原因は何なのでしょうか? また、それを何とか解消する方法はないのでしょうか? 本記事では、そんな食後のだるさや眠気の原因とご自身で手軽にできる解消方法についてご紹介させていただきます。

食後にだるい眠気を感じる3つの原因とは?

食後のだるい眠気の主な原因は、食事によって無意識の内に次の3つの変化が起こるためです。だるさや眠気の強さは人によって違いますが、少なからずこの変化は誰の体でも起きています。決して異常なことではありません。

  • 副交感神経が優位になる
  • オレキシンの分泌量の減少
  • 血糖値の変化

それぞれ私たちの体の中では、どのような変化が起き、どのように体のだるさや眠気につながってしまうのでしょうか。3つの原因について、そのメカニズムを分かりやすく解説させていただきます。

副交感神経が優位になるメカニズム

私たちが意識しなくても、食べ物を消化できたり、暑い時に汗をかいたり、呼吸をしたりできるのはなぜでしょうか? それは自律神経という機能を私たちが持っているからです。

自律神経とは、私たちの行動や、周囲の環境に応じて、私たちの健康をコントロールしてくれる、なくてはならない神経です。

自律神経には次の図のように、交感神経副交換神経に分かれており、この2つが1日のうちに入れ替わる(優位になる)ことによって私たちは健康に生活することができているのです。

[st-kaiwa1]交換神経は私たちが日中活動する時に働く神経で人間が活動しやすい状態にしてくれる働きがある。一方で副交感神経は私たちが体を休める時に働く神経で、人間の体のメンテナンスをしてくれる働きがある、と考えると分かりやすいよ。たとえば、睡眠時には副交感神経が優位になって体をメンテナンスして、朝起きてからは交感神経が優位になって、私たちが活動しやすい状態に体を変化させてくれる。だから私たちは日中元気に活動できるんだね。[/st-kaiwa1]

朝の起床時以外にも交換神経と副交感神経が入れ替わるタイミングはたくさんあります。その中の一つが「食事」です。食事中は活動している状態なので、交感神経が優位になっていますが、食後には一転、副交換神経が優位な状態に変化します。

実は、胃や腸などの内蔵は副交感神経が優位な状態の時に活発に働くようになっています。そのため食後は副交感神経が優位になります。

副交感神経が優位になることで、体は睡眠時と同じようなリラックス状態に陥り、眠気やだるさを感じやすくなるのです。

食後のだるい眠気を少しでも和らげるためには?

食事中から食後にかけて交感神経と副交感神経が入れ替わるスピードが急であればあるほど、眠気やだるさを感じやすくなります。主に早食いや食べ過ぎによって、このスピードは早くなります。

そのため、ご飯をゆっくり食べることや、食べる量を腹八分目に抑えることで、食後のだるい眠気を和らげる効果が期待できます。

オレキシンの分泌量の減少

私たちの健康が維持できるのは、先ほどご紹介した自律神経だけのおかげではありません。ホルモンという化学物質も私たちの体の健康をコントロールしてくれています。

ホルモンは、私たちの体を常に一定の状態、つまり健康な状態を保つ働きをしてくれる化学物質です。体のいたるところで作られており、それぞれ役割が違います。

たとえば、私たちが空腹感や満腹感を感じるのは、私たちの体の中で、それぞれ食欲を向上させるオレキシン(別名:空腹ホルモン)、満腹感を感じさせるレプチン(別名:満腹ホルモン)というホルモンが体内で分泌されるためです。

体を健康に保つためには栄養をしっかりと取る必要があるので、お腹がすくとオレキシンが分泌され「栄養が足りないよ〜」と教えてくれます。一方、栄養の取り過ぎも体に悪いので、満腹になったタイミングで「もう十分だよ〜」とレプチンが分泌されます。このようにホルモンは私たちの体を健康に保つ働きをしてくれているのです。

実は、オレキシンには覚醒効果があり、血液中にすでに溶け込んでいる糖分をエネルギーに変えてくれます。体を活動状態しやすい状態、つまり食欲旺盛な状態にしてくれるのです。よく「空腹時には頭が働く」と言われるのはこのオレキシンの働きが関係しています。

しかし、食後にレプチンが分泌されるとともに、オレキシンの分泌量は減少していきます。オレキシンの覚醒効果は弱まり、糖分をエネルギーに変えられなくなってきます。そのため、体は休息しやすい状態になり、眠気やだるさを感じるのです。

このオレキシンとレプチンの分泌量の変化は、交感神経や副交感神経の変化とも大きな関わりがあるため、自律神経とホルモンの変化によって食後に眠気やだるさを感じやすくなると言えます。しかし、自律神経とホルモンの変化による眠気やだるさはあくまで一時的なものであり、徐々に回復していきます。



血糖値の変化

自律神経やホルモンの変化だけではなく、食事によって血糖値が変化することも、眠気やだるさをもよおす原因の一つです。

[st-kaiwa1]炭水化物を食べると、それが体の中で消化吸収されて、ブドウ糖として血液中に送られるんだ。そのブドウ糖が血液を通って体中の細胞にエネルギーとして届けられるから私たちは日々活動できているんだよ。この時、血液中に含まれるブドウ糖の量を血糖値と言うんだ。[/st-kaiwa1]

食事を取ると、血液中の血糖値が次の図ように上昇していきます。

通常であれば、上がった血糖値を抑えるためにインスリンがが体内から分泌され、血液中のブドウ糖を中性脂肪に変え、体内に吸収するサポートをしてくれます。

実はブドウ糖が体中の細胞にエネルギー(中性脂肪)として取り込むためにはインスリンが必要不可欠です。もしインスリンがなかったら、いくら血液中にブドウ糖があったとしても、エネルギーとして細胞に送ることができなくなってしまうのです。

この血糖値が上がって、インスリンが働くまでの2時間は、細胞にエネルギーを送れていない状態になるので、眠気や体のだるさにつながってきます。

人によっては、食後に血糖値が通常よりも急上昇してしまうことから、食後に異常なほど高血糖状態になり、その分急激な眠気や体のだるさを感じてしまう方もいらっしゃいます。

また、食後高血糖状態になってしまうと、それを抑えるべくインスリンが大量に分泌されます。結果的に血糖値が急激に下がり、逆に血糖値が普通よりも低くなってしまう低血糖状態になってしまうと、逆に体のだるさや眠気を感じやすくなります。

このように、食事によって血糖値が上昇した状態、逆にインスリンによって血糖値が低くなりすぎてしまった場合に、眠気やだるさを感じてしまうのです。

糖尿病の場合

食後に眠気やだるさを感じる場合、最も注意すべき病気が糖尿病です。糖尿病は一言で言えば、血糖値を下げる働きをするインスリンが上手く働かず、血糖値が下がりづらいという病気です。

よく糖尿病の人が「インスリン注射」というものを打っている光景をテレビなどで見たことがあると思います。これは、インスリンを外部から取り入れ、少しでも血糖値を下げるべく行われている治療です。

糖尿病の方は、食後に血糖値が異常に上がりやすく、さらにその血糖値を下げるインスリンが上手く働きません。そのため、食後も高血糖の状態が長く続きます。

その為一般の方に比べて、食後に眠気や体のだるさを感じる時間が長かったり、耐え難い強烈な眠気やだるさを感じるというのが糖尿病の初期症状の特徴です。

また、インスリンが上手く働かないということは、上手くブドウ糖をエネルギーとして体内に吸収出来ていない証拠であるため、エネルギー不足によっても眠気や体がだるいと感じてしまいます。

食後の眠気やだるさは誰にでもあることなので、それだけでは糖尿病かどうかはわかりづらいと思います。そのため、食後の眠気やだるさだけではなく、次のような症状が出ている場合には、糖尿病の可能性を疑う必要があります。

  • 喉が乾きやすい
  • 食べても体重が減少する
  • 常にを体がだるい

食後のだるさや眠気は病気が原因の可能性も!?

食後にだるいと感じたり、眠たくなってしまうのは、人間であればだれでも起きることです。しかし中には先ほどご紹介した糖尿病のように、重大な病気のサインである可能性もあります。

ここでは、食後にだるさや眠気を感じてしまう原因となりうる病気の症状やその初期症状の特徴などをご紹介いたします。ぜひ医療機関を受診する前の参考として見ていただければと思います。

低血糖症

低血糖症とは、血糖値を上手くコントロールできずに正常値を維持できない病気です。

原因は、主に食生活の乱れにあります。炭水化物を取りすぎたり、食後の急激な高血糖を招く食生活を続けていると低血糖症を招きやすいと言われています。低血糖症になると、主に次のような症状が見られます。

  • 空腹の時に手が震えてしまう
  • 食後に強烈な体のだるさや眠気を感じてしまう
  • 急に力が抜けることがある

これらの症状を放っておくと、自分自身で対処できなくなる可能性もあります。このような症状が見られるという方は自分で判断しようとせず、一度医療機関を受診するのがいいかもしれません。

食後低血圧

食後に眠気やだるさではなく、ふらつきやめまい、立ちくらみなどの症状が出る場合には、この食後低血圧の可能性があります。

だいたい食後30分後程度から症状が出始めることが多く、その症状は時間の経過とともに徐々におさまっていきます。ひどい場合には失神してしまったりすることもあります。

食後低血圧の主な原因は、自律神経の機能低下です。人間の体は食事をすると消化のために胃や腸に血液が集中するようにできています。そのため、食後には体中の血圧が下がります。

普通であれば、自律神経の働きによって、下がった血圧は元に戻ります。しかし、更年期障害や何かしらの影響により自律神経の機能が低下してしまうと、食後に血圧が低下しやすくなってしまいます。

ほとんどの場合、時間と共に症状は良くなっていくため、血圧検査などでもわかりづらいのが特徴です。そのため、自分自身で少しずつ対処していくのが良いと言われています。

主に、消化に多くの血液を必要とする炭水化物の摂取を控えたり、またカフェインの摂取により改善が期待できます。また、食後はあまり激しい運動はせずに、しばらく横になっているなど安静にすることで食後のふらつきやたちくらみなど食後低血圧の症状を和らげる効果が期待できます。

症状が気になる場合や、命の危険を感じた場合には、「食後に立ちくらみやめまいがする」などはっきりとした症状を医師に伝え、指示を仰ぐようにするといいかもしれません。

食後の眠気、体がだるい時の対処法とは?

まず、先ほどご紹介した病気の症状が見られる場合には、自分で無理に判断しようとせず、医療機関を受診することが最大の対処法となります。ここでは、自律神経やホルモン、食後の血糖値の変化によってもよおされる眠気やだるさを少しでも和らげる方法についてご紹介いたします。

基本的には食後の眠気やだるさは食生活の乱れが原因であることが多いため、食生活の改善や血糖値を上げにくい食事方法などが主な対処法となります。次のような対策により食後の眠気やだるさを解消することが期待できますので、ぜひ食後の眠気が気になる方が試してみてはいかがでしょうか。

仮眠(パワーナップ)

食後15〜20分程度の仮眠を取ることで、睡魔を飛ばします。睡魔を飛ばす働きをするのがレム睡眠であるため、基本的に深い眠り(ノンレム睡眠)になってしまっては逆効果です。そのため、横になるのではなく椅子などに座って寝るようにしましょう。また時間は20分以下に抑えましょう。寝る前にカフェインを取ると、すっきりと起床しやすくなります。

食物繊維から先に食べる(血糖値を上げにくい食事)

食後に眠くなったりだるくなりやすいという方は、食物繊維を含む野菜や根菜などから先に食べることで食事による血糖値の急上昇を緩やかにすることが期待できます。

食後に運動などを行い眠気を回避する

食後は自律神経が副交感神経に変化したり、オキシトシンの分泌が低下したり、体は休息しやすい状態に陥ります。このような状態で運動などを行うことで、自律神経を交換神経に戻したり、血圧や体温が上がることで活動しやすい状態にする効果が期待できます。つまり眠気やだるさを回避する効果が期待でるのです。

よく噛んで食べる

噛むことによってより食べ物は消化、分解、吸収されやすい状態になります。そのため消化に血液をあまり使う必要がなくなるため、食後の眠気やだるさを感じにくくする効果が期待できます。

腹八分目に留める

食べ過ぎは、血糖値の急上昇の原因となります。そのため腹八分目に留める食事を心がけましょう。そうすることで、満腹中枢への刺激が弱まり、オキシトシンの分泌量の減少が抑えられるとともに、血糖値の急上昇を防いだり、消化へ使う血液量をへらす効果が期待できます。

人間は、食後に眠気やだるいと感じるように出来ています。そのため、全く眠気やだるさを感じることがないようにすることは出来ません。しかし完全には解消できずとも、眠気やだるさを和らげることはできます。今回ご紹介いたしました原因や対処法が、みなさまにとって上手く食後の眠気やだるさをコントロールしていただけるきっかけになっていただければ幸いです。また、同時に眠気やだるさがきにくくなるように、規則正しい食生活も一緒に心がけていただければと思います。

※食後の眠気やだるさが耐え難い場合や、長期間続く場合、まためまいやふらつきを伴う場合には、自分で対処するのではなく、医療機関を受診して、医師の指示を仰いでみると良いと思います。

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